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白トリュフに匹敵?日本の珍味キノコのはなし

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    今年の紅葉は全国的に10年に一度の美しさ、とテレビで紹介されていたのを聞き、
    10月の末、宮城県との県境にほど近い「小安峡」に紅葉狩りに出かけました。

    既に落葉した木々はあったものの、それでも山々が黄色や朱色に覆われている姿は、
    目を見張るものがあり、自然が織りなす芸術にただただ心奪われるひと時でした。

     





    少し前のテレビ番組で、このあたりに「幻のキノコ」と呼ばれる大変珍しいキノコが
    あることを知り、夜旅館で早速一人前注文してみました。
    人が分け入らないような山奥に生息し、生えている場所も木の幹の上部という、
    何ともキノコらしからぬ代物です。
    地面しか探さない普通のキノコ採りでは絶対見つけることができない、まさに
    「幻のキノコ」。番組でみた感じでは、舞茸のように平たく横広がりで、大きさは
    野球のグローブほどもあるようです。以外に重く、みも締まっているとのこと。

    これがその「ヌキサシ」というキノコです。





    この旅館では、みそ漬けとして保存食にしていました。
    飴色に輝くこの一品、結構弾力のあるしっかりとした歯ごたえで、コリコリとした食感も
    あるから不思議です。見た目ほど味噌の塩分は気にならず、まさにお酒の肴にピッタリ。
    言われなければ、これがキノコとはわからないでしょう。
    味噌漬けというせいか、「ヌキサシ」そのものの匂いや味はわかりませんでした。


    因みに真ん中の白い器に入っている黄色い粒々は、イワナの魚卵。
    黄色いキャビアと思って頂きました!


    世界で最も高価なキノコ、世界三大珍味の「トリュフ」の中でもさらに貴重な【白トリュフ】も、
    地面だけ見ても見つかりません。イタリア版は〈地中〉、日本版は〈頭上〉と、見つけるのが
    大変なのはどちらの珍味キノコも変わりませんね。独特の強い香りがあるところは、イタリア版
    に軍配が上がりそうです!


    【白トリュフ】を体験するおいしいイタリアの旅ツアーは、残念ながら今年は見送りとなりました。
    来年のこの時期は、アルバでその香しさに皆さんと酔いしれたいと思います。

      

    チョコレートのはなし

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      今日はバレンタインデー。
      イタリアでは、聖(サン)・ヴァレンティーノ(S.Valentino)の日とよばれます。

      ローマから普通列車で1時間くらい北東に進んだ内陸部に
      テルニ(Terni)という小さな町がありますが、
      ここに聖ヴァレンティーノに捧げられた教会があります。



      キリスト教がまだ異教として禁止されていたローマ時代中頃、
      テルニの司教だったヴァレンティーノが
      ローマ軍兵士とキリスト教徒の娘の結婚を祝福した、との言い伝えが残っています。
      その後ヴァレンティーノは殉教しますが、このエピソードから
      「恋人たちの守護聖人」として日本でもお馴染みの名前となりました。

      この聖人のご利益にあずかろうとしてか、
      毎年、テルニの教会にはたくさんのカップルが行列をつくります。



      せっかくだからこの日の様子を見てみようと、
      随分むかしに一度訪れたことがあります。
      町と教会を見学し終えて乗車した列車が、駅を出て間もなく立ち往生。
      冬の暗い平野に停車した車内に3時間近く、
      何のアナウンスもないまま閉じ込められたことが、
      2月14日のヴァレンタインの聖地の一番の思い出です。
      何でも人身事故だったそうで、
      もし自殺だとしたらよっぽどの失恋だったに違いありません。

      日本では、女性が男性にチョコレートを渡して告白できる日、ということで定着していますが、
      イタリアではこのような習慣は全くありません。

      むしろ既にカップルの二人が
      ロマンチックに過ごす日、というニュアンスが強く
      まさに日本のクリスマス・イブのような日といえるでしょう。

      そういえばまだローマに住んでいた頃、
      たまたま女友達と2月14日にレストランで食事をしたところ、
      「バレンタイン特別メニュー」がおかれていました。

      さて今日はチョコレートのお話ですが、
      イタリアのチョコレートでは、何と言ってもバーチ(BACI)が有名ですね。




      「キス」を意味するバーチョ(BACIO)の複数形で、
      ヘーゼルナッツチョコを普通のチョコでコーティングした変形丸型チョコです。
      名前にふさわしく、おなじみの銀色に青い星の包み紙を解くと、
      チョコの中包みのような小さな紙に
      「愛の格言」が各国語で書かれていて、ちょっとしたおみくじ気分を味わえますよ。

      チョコレートというと、ベルギーやフランス、スイスが有名ですが、
      実はイタリアのトリノが、ヨーロッパにおけるチョコ文化発祥の地と言われています。
      16世紀に既にトリノを首都とするサヴォイア王家が珍重していて、
      18世紀にはトリノからヨーロッパ各地に輸出されていたようです。

      トリノは現在でもイタリアで最もチョコレートがおいしい街として知られていて、
      1826年創業のカファレル社のジャンドゥーヤ(gianduja)は、
      その独特の形と共にまさにイタリアチョコの代名詞といってもいい存在です。



      トリノがあるピエモンテ州はヘーゼルナッツの名産地で、
      ジャンドゥーヤもヘーゼルナッツとチョコレートを混ぜ合わせたタイプ。


      冬にトリノを訪れる方は、
      是非熱いホットチョコレート(濃厚なココア)をお試しください。
      本来のチョコレートの味わい方の最高峰を体験できます。
      最近知ったのですが、トリノでは毎年「チョコイベント」が開催されていて、
      市内20数件のチョコレート店を回って試食できる「チョコパス券」があるそうです。
      スイーツのイタリア体験もいいですね。

      前述した通り、チョコレートはもともと飲み物として普及していました。

      それが今の様な固形のスイーツに変わったのは、19世紀になってからのことです。
      チョコレート先進地だったイタリア(トリノ)で真っ先に手掛けられ
      他国に新しいチョコレート製法が輸出されていきました。

      初期の板チョコは、きめも荒く苦味が残るものだったそうですが、
      チューリッヒのチョコレート職人ロドルフ・リンツが
      カカオの香りが引き出される口どけの良いなめらかなチョコを作る製法を発明します。
      その後ヨーロッパ各国が独自の技術を取り入れ、
      現在親しまれているようなスイーツの王者の座を切り開いていきました。

      私がイタリアで一番好きなチョコレートは、リンツ社(Lindt)のリンドール(Lindor)です。
      フランス語で「金」を意味するorとLindtを組み合わせたこの名前からもわかる通り、
      私の中では他の追随を許さない文句なしのNo.1チョコレートです。



      ブルーの包み紙はダークチョコ。黒はエクストラダーク。
      この2種類が私の2大お気に入りですが、コーヒーと一緒に丸いチョコを口にするのは
      まさに至福のひと時です。

      初めてこれを食べた時、
      中のなめらかなチョコクリームの食感にまず驚き、
      続いて、表面をコーティングするチョコと中のチョコクリームの
      甘くて深い見事な味のハーモニーに出合って
      完全に虜になっていました。

      Lindtという名前からしてこれはイタリアの会社ではないな、と思っていましたが
      「リンツはイタリアのチョコだよ。」
      「イタリアとスイスの合弁会社なんだ。」
      などなど複数の友人たちからの今一つ疑問の余地が残る説明を聞いて
      何となく曖昧に済ませていたのですが、
      今回調べてみたら、こんなことがわかりました。

      1845年にスイスのチューリッヒで創業した「シュプルングリー」親子の始めた
      小さな菓子工房が、やがてなめらかなチョコレート製法を発明したリンツ社のブランドを買収して、
      1898年に「リンツ・シュプルングリーチョコレート製造株式会社」を設立。
      1993年には、長く協力生産体制を取ってきたイタリアの老舗工房「ブルゲローニ」社を
      買収して現在に至る。

      スイス国境にほど近い、北イタリアの「ブルゲローニ社」の
      イタリアチョコレートの伝統と確かな技術が、
      世界に名だたるリンツ社を支えていたのでした。
      ということは、
      やはりリンツは半分はイタリアのチョコといえるのかもしれませんね。

      蛇足ながら、「リンツ・シュプルングリーチョコレート」は
      チューリッヒでは知らぬ人がないほどの老舗有名人気店だそうで、
      この店のマカロン(地元ではルクセンブルグリと呼ぶそうです)は、
      チョコレートと並ぶかそれ以上の美味しさとか!




      チューリッヒの空港でも綺麗なパッケージで売っていましたが、
      乗り継ぎ時間が足りなく、買いそびれてしまったことが悔やまれます。

      ところで、先月訪れたローマでこんな店を発見しました。



      大きなゴールドのリンツベアが入り口でお出迎えする
      パンテオン近くのリンツ専門店。





      あらゆる種類のリンドールが色別に並んでいます。
      好きな色を好きなだけ取ってレジに持っていくと、重さで料金が算出されます。







      何種類ものチョコレートケーキが並んでいました。
      隣のバールカウンターですぐに食べれるようでした。
      どれもこれもカカオパウダーがたっぷりかけられてすごく美味しそうです。
      チョコレートケーキには目が無い私ですが、さすがに昼食直後とあって、
      今回は試食を断念。
      次の機会に楽しみを持ちこすこととしました。

      ナポリではこんなものを見つけました。





      路上にショーケースを出していた揚げピッツァやコルネットを売る店。
      チョコとダブルに練りこまれているコルネットは珍しい。






      こちらは、ヌテッラ(ヘーゼルナッツ味のチョコクリーム)をぬったスイーツピッツァ?!
      こんなおやつも悪くない。

      やはり近代チョコレート発祥の地イタリアは、
      高級感漂うものから、庶民的なものまで
      チョコレートが奥深く生活に溶け込んでいるんですね。

      バレンタインデーの今宵、
      イタリアの街はロマンチックなカップルであふれていることでしょう。

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