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2013夏の北イタリア旅情 ツアーの報告10〜 野外オペラ「アイーダ」鑑賞〜

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    いよいよ旅のハイライトの一つめ、野外オペラ鑑賞が始まる。

    各自夕食を済ませ、20:40にホテルロビー集合。
    夏の野外ということで、比較的ラフな格好でも大丈夫なのだが、
    全員プチオシャレして、華やいだ雰囲気でアレーナに向かう。



    やはりヨーロッパの夏は日が長い。
    まもなく21時とは思えない薄暮の中、ほどなく会場に到着して、
    まずは全員で記念撮影。
     




    お席はS席相当のポルトロニッスィメ・ゴールド(poltronissime gold)で、
    平土間席の前から8列目の中央部。
    gate1と表示されたアーチをくぐって、野外劇場内に入る。




    既に8割ほどが着席している。
    後方には午後に見た外周の一部に最後の夕日があたり、
    階段席のあたりをオレンジの光で包んでいる。



    これまで2度、ヴェローナ野外オペラを鑑賞したことがあるが、
    いずれも階段桟敷席だった。今回の平土間席は、同じ野外オペラ会場とは
    思えないほど、舞台が間近で臨場感が今から湧き上がってくる。

    ステージは・・・と見ると



    写真提供:工藤 修氏

    工事現場のクレーンのようなものが舞台中央にドーンと立っている。
    いくらイタリア時間、とはいってもこの状態でこれから舞台設定したら、
    いったい開演は何時になるのか?

    21:15。開演時刻。
    Tシャツ姿のヘルメットをかぶったスタッフらしき人たちが、クレーンに背を向け、
    中央アーチの向こうに消えていった。
    そして、舞台両サイドから、オペラ衣装とはおよそ程遠い
    近未来の宇宙服のような光る素材を身に付けた人たちがゾクゾクと登場。

    なんだ、なんだ、と思っているうちにこの前衛的アイーダは始まっていた。
    意表を突く展開。
    100周年の記念すべき年に、イメージを全く覆すような演出効果を狙っていたのだ。

    第一幕の終盤には、あたりはすっかり暗くなっていた。

    周囲の深い蒼色を背景に
    アレーナの最上席に次々に火を手にした男たちが並んでいく。



    例のクレーンも怪しげなオレンジ色に輝き、今ではすっかり舞台装置として溶け込んでいる。

    音楽はもちろんだが、この独創的な視覚効果に観客は驚きと期待を膨らます。
    オペラ初心者の私の様なものでも、純粋に楽しめそうな演出だ。

    やがて約20分の休憩タイムになった。


    写真提供:進藤 智恵美氏

    1階の平土間席の観客専用にかなりちゃんとしたバールが併設されていた。


    写真提供:進藤 智恵美氏

    高いお席には、それに見合ったサービスが提供されるというわけだ。
    ワイングラスはもちろんガラス製。。
    一方、階段桟敷席はスポーツ観戦のスタジアムのように、売り子が回って歩く。
    同じアレーナでオペラ鑑賞しても、上と下では全く異なる世界が存在する。



    写真提供:進藤 智恵美氏




    最高のアート鑑賞には、良く冷えたプロセッコがお似合いだ。



    ここからは、舞台の様子を写真で紹介してみよう。

    休憩時間のオーケストラボックス。

    写真提供:進藤 智恵美氏

    砂漠を表現した金褐色の巨大な布が、舞台後方の階段席を覆う。
    本物の満月(右)とクレーンから吊るされた舞台用満月(左)のダブルフルムーン。


    写真提供:進藤 智恵美氏

    アイーダで最も有名な第2幕の「凱旋行進曲」を高らかに演奏する
    トランペット奏者たち。


    写真提供:進藤 智恵美氏



    写真提供:進藤 智恵美氏


    写真提供:進藤 智恵美氏

    アレーナのアイーダの最大の見ものは、
    その広いステージを駆使して、本物の動物たちが登場するところ。
    以前観た時も、たしか馬が十数頭、他にも動物たちがステージを占領し、
    古代遺跡を使った野外オペラのスケールの大きさを実感した。

    さて今回は・・・・と期待していると、


    写真提供:工藤 修氏

    なんということか。
    巨大な組み立て人形のような像が、舞台左から現れてくるではないか。

    続いてはラクダだろうか。


    写真提供:進藤 智恵美氏

    姿を現す動物はすべて、大きなぜんまい仕掛けのように
    大勢の人間を引き連れてゆっくり現れては舞台裾に消えていく。

    人間が着ている縞模様のツルッとしたコスチュームは、
    まるで、動物たちに仕える蟻のようだ。


    写真提供:工藤 修氏

    クライマックスは、古典的演出だと分かりにくい、
    主人公アイーダと彼女の恋人であるエジプトの将軍ラダメスが
    神殿の地下牢で歌いながら息絶える場面。

    今回の演出では、
    クレーンの前に設置された銀色に光る巨大なボードが
    徐々に倒れてきて、
    地上にいるエジプト女王アムネリスと、地下牢の二人を対照的に浮かびあがらせる。
    何とも見事な閉め方だった。

    終演後、再び銀色のボードが立ちあがり、
    鳴りやまぬ拍手喝采に、出演者たちが総出で応えていた。


    写真提供:進藤 智恵美氏

    主人公のアイーダ役、ソプラノのヒュイ・ヘー(Hui He).


    写真提供:工藤 修氏

    素晴らしい声量で観衆を魅了した、
    エジプト王女アムネリス役のダニエラ・バルチェッローナ(Daniela Barcellona)はイタリア人。
    体もボリュームたっぷりで、ひときわ大きな拍手をさらった。


    写真提供:進藤 智恵美氏

    今回の超モダンな舞台は、演出家フラ・デルス・パウスによる。
    ちなみに100周年記念祭の今年は、6月14日の開幕公演から前半はこの前衛バージョン。
    後半の8月以降は、1913年当時のステージデザインの復活バージョンという2本立てで
    構成されている。

    時間が許すならば、見比べも興味深いに違いない。

    アレーナを後に頭上高く照らす満月の下、ホテルに帰着。
    時刻は午前1時少し前。
    なかなか興奮が覚めない。

    ボリュームある長い一日、イタリア滞在3日目が終わった。

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