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2人の聖人法皇誕生

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    4月20日は2014年の復活祭でした。
    それから1週間後の4月27日、カトリック教会の典礼歴で「神のいつくしみの主」にあたるこの日は
    歴史的な新聖人誕生の日ともなりました。

    一人は絶大な人気を誇った、まだ我々の記憶にも新しい先々代の第264代法王ヨハネ・パオロ2世(在位1978~2005)、
    もう一人はその少し前の第261代法王ヨハネ23世(1958~63)です。


    ヨハネ23世(左)とヨハネ・パオロ2世(右)

    聖人とは、生前の行いがキリスト教者として特に優れていて、また科学的には証明できない奇跡を起こすことが
    認定の必須条件となります。
    厳しい何段階もの審査を一つ一つ経て、やっと認定されるまでには
    死後少なくても20〜30年,長いと数百年はかかるのがこれまでのバチカン流でしたが、
    (ちなみにフランスの英雄ジャンヌダルクは死後489年を経て聖女になりました)
    今回は2人とも過去に類を見ない短期間での列聖となり、これも大きな話題になっています。

    ヨハネ23世(イタリアでは、ジョヴァンニ23世と呼ばれます)は、「善良な法王」との呼び名で親しまれた方で、
    その名が示す通り親しみやすい人柄で多くの信者に愛されました。キューバ危機の際は、米露の衝突を回避させるべく
    宗教の立場から平和外交に貢献し、ラジオ放送を通じて戦争突入を阻止したエピソードが残っています。
    イタリア在住中に2度見た「良き法王ジョヴァンニ」のTV映画のこの場面では、緊迫する情勢の中、
    カトリック教会の長として何かできることないか夜を徹して苦悶する様子が印象的に描かれていました。
    聖人認定のために必要な奇跡は最低2つですが、ヨハネ23世については2つ目の奇跡の認定を経ず、死後50年に
    あたる昨年、現法王フランシスコが聖人列聖を宣言しました。

    ヨハネ・パオロ2世(イタリアでは、ジョヴァンニ・パオロ2世)の葬儀はまだ私たちの記憶に新しいかと思います。
    長くパーキンソン病を患い、激しい苦痛と闘いながら最後まで法王職を全うされ、2005年の復活祭を終えて間もなく、
    「神のいつくしみの主日」の前日にあたる4月2日の夜、84歳の生涯を閉じられました。
    法王危篤のニュースが流れるや否や、世界中から法王を崇拝する熱心な信者たちがサン・ピエトロ広場に続々と集まり、
    法王の寝室がある宮殿最上階の窓に向かって夜通し祈りを捧げる様子が現地では実況中継されましたが、
    その数の多さに反して広場は静寂に包まれ、ヨハネ・パオロ2世の最期の時を見守る深い悲しみがTV前のこちらにまで
    ひしひしと伝わってくるのを感じました。
    「我々の法王ヨハネ・パオロ2世は、天なる父のもとに戻られました」、臨終を伝えるバチカンのこの言葉は
    信者ではない私の胸にも奥深くまで響き、思わず喉を詰まらせたことが昨日のように思い出されます。

    葬儀の日は300万人近い人がローマを訪れたとされていますが、前夜から街中に厳重警戒態勢が敷かれて、
    当日は外出しようにも公共交通機関がほぼマヒ状態だったと記憶しています。
    この日午前ローマ市内観光の仕事が入っていたのですが、不思議なことが起きました。
    確か「真実の口」辺りにいた頃だったと思います。
    突然強い風に見舞われました。この数秒間の突風に、帽子をかぶっていた人は思わず頭に手をあて、
    飛ばされないように押さえなければならないほどでした。
    あとで分かったのですが、この突風は葬儀が行われていたサン・ピエトロ広場でも起こっていて、
    ヨハネ・パオロ2世の棺の上に置かれた、普通では到底めくれないようなぶ厚い本が風によって開かれ、
    パラパラと最初から最後までページがめくられたあと、再び背表紙がパタンと閉じられたのです。
    (背表紙は私の思い違いかもしれませんが、ページは確かに最後までめくられた映像をはっきり覚えています)

    風が強く吹いたのは、そのほんの数秒だけのことで、その後はぱたりと収まっています。

    あれは亡き法王から我々残る者たちへの何らかのメッセージだったのでしょう。
    奇跡を見た瞬間でした。

    亡くなった直後から〈すぐに聖人に!(Subito Santo!)〉と世界中の信者から乞われたその切願叶い、
    死後9年という異例の早さで実現化した「聖ヨハネ・パオロ2世」の誕生でした。

    今回の二人の人気法王そろっての列聖で、現フランシスコ法王のへの信頼が一段と高まり、ひいては
    カトリック信者たちの心の結束がより強固になることによって、世界中を平和に導く優しさのエネルギー
    「愛」が広く浸透していく機会になることを願わずにはいられません。
     

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