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2013夏の北イタリア旅情 ツアーの報告6〜ヴェネチアの夜〜

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     夕食までの2時間ほど、文字通りのフリータイムで素晴らしい景色を
    堪能されたある参加者の方の写真をご紹介しよう。


    サン・マルコ広場の鐘楼から見下ろす広場とヴェネチアの街並み




    鐘楼から眺めたサン・マルコ小広場とゴンドラ




    サン・マルコ大聖堂のクーポラとドゥカーレ宮殿(右)



    サン・ジョルジョ・マッジョーレ島とリド島(奥)


    以上写真提供:工藤 修氏



    18:50 ホテルロビーに集合して徒歩でレストランに向かう。
    まだ日は高く、夕食という気分ではないが、
    この日は夜に花火が打ち上げられることもあり、
    混雑を避けるためか、19:30のリクエストが繰り上げられてしまった。

    午前中の観光で訪れたガラス工房のすぐ先、
    “トラットリア・アッラ・リヴェッタ Trattoria  alla Rivetta"に入る。

    店構えも入り口もかなり庶民的な感じだ。

    ヴェネチアに来たらやはり一度は食べてみたいのが、イカ墨パスタ。
    これまで何度か食べたが、中にはイカ墨のイの字も感じられない代物もあった。
    今回は予算を多めにして、「本物の美味しいイカ墨」とリクエストしているのだが、
    果たしてどうだろうか?



    大正解!
    こってりとしたまろやかなコクのあるソースが、パスタにしっかりと絡んでいる。
    イカの香りもちゃんとするし、身も入っている。
    黒く光るこの一品は、これだけでも十分満足いく一皿だった。

    次なるメニューはミックスサラダだったのだが、
    温野菜盛り合わせに変えてもいいよ、とのお店からのありがたい提案を受け入れ
    ランチとは異なる野菜料理を味わうことにした。



    ナスやインゲン、ジャガイモにズッキーニに白いんげん豆など
    彩りも楽しい野菜のオンパレード。

    大盛りのパスタに続くたっぷりの野菜で、おなかもかなりきつくなっていたところに
    本日のメインが登場した。


    写真提供:工藤 修氏

    サクサクした揚げたてのイカのフライだ。
    美味しそうな香りもしてくる。
    でも、もう食べれない。

    皿から減らないフライを見て、ボーイのおじさんが「なぜ…?」と覗き込む。
    「美味しいけど、みなさん満腹でもう限界のようです。ごめんなさい。」

    この後のデザートのティラミスは絶品だよ、とボーイに言われたが
    デザートを食べない分飲み物代はフリー、の提案を全員一致で承諾して、
    レストランを出た。

    もう20:30を過ぎた頃だが、まだまだ明るい。



    今晩の花火の打ち上げを水上から見物しようと、
    早くも数十隻のボートが
    サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会の前に集まってきている。

    せっかくだから、ということで
    ヴェネチア本島で一、二を争う老舗高級ホテル「ダニエリ Danieli」の
    ラウンジで何か飲んで行くことにした。



    5つ星ホテルなのに入り口は通り過ごしてしまいそうなほど小さい。
    回転扉をゆっくり回し、大富豪で何度も総督を出した名門貴族の14世紀の宮殿だった、という
    この有名ホテルに足を踏み入れる。


    外観からは想像もできないほど広々とした吹き抜けのロビーに出た。
    ラウンジに席を取り、ホテルお薦めのヴェネチア特製カクテル「ベッリーニ」を注文する。


    写真提供:工藤 修氏


    ヴェネチア生まれのこのカクテルは、この地が生んだ偉大なる画家Belliniに
    因んだもので、1948年に開催された彼の展覧会を記念して、地元の有名レストラン
    「ハリーズ・バー Harry's Bar」で誕生したそうだ。

    ヴェネト地方が誇る発泡性白ワインの王者「プロセッコ prosecco」と白桃の
    ピーチネクターの組み合わせにグレナデンシロップを加えて甘さを出している。
    以前、ハリーズ・バーで飲んだものはもっとピンクがかっていたが、「ダニエリ版」
    は、白桃をイメージさせる薄い黄色に、なぜかイチゴが添えられていた。

    大きなグラスを傾けながら、ちょっぴりセレブな気分のヴェネチアの夜。

    外に出るとすっかり夜色になっていた。

    イタリアは夏でも日が落ちると、涼しくなると記憶していたが、
    最近はそうでもないらしい。水の都の湿度のせいか、気温はさほど下がっていない。

    今日は、レデントーレの祭り(Festa del Redentore-救世主の祭り)の前夜祭。
    サン・マルコ広場の夜景も、華やぎを増しているかのようだ。


    写真提供:工藤 修氏

    「レデントーレの祭り」とは、ヴェネツィアの夏を代表する最も重要な祭りのひとつで、
    毎年7月の第3日曜日に行われる。
    16世紀に猛威をふるったペストが終焉した際、救世主キリスト=レデントーレへの感謝
    をこめて、ヴェネチア本島の対岸にあるジュデッカ島にレデントーレ教会が建設された。
    祭りが近付くと臨時の橋がかけられ、たくさんの人が橋を渡って、ルネッサンス期の
    大建築家A.パッラーディオ(Andrea Palladio)が設計したこの教会に参拝する。

    しかし現在では、本来の宗教的な側面よりもむしろ、前夜祭の花火大会が有名になり、
    地元や近郊の人は自家用船で水上から、観光客は陸から花火を楽しむ日として
    定着しているようだ。

    イタリアに住んでいた頃、ヴェネチア近郊のキオッジャ(Chioggia)に友人がいたおかげで、
    私は数年にわたり彼女の船で水上からの花火を堪能することができた。

    21時頃にキオッジャを出発して、小1時間ほどかけてサン・ジョルジョ・マッジョーレ島前に着く。
    まずは場所取りに専念し、あとは持ち寄ったパニーノとビールで仲間同士おしゃべりをしながら
    ボートに揺られて花火開始を待つ。
    歓声が増して行き、最初の1発の低い音があたり一面に響き渡る。
    目の前で勢いよく打ち上げられた花火が、頭上で大きく花開き、
    同時に水面に鮮やかな色彩を反映させる。
    闇の中に赤や緑や青の光が次々と広がっていく様は、まさに極上スペクタクル!
    花火好きでなくたって、思わず興奮してしまう光景だ。
    私にとって決して忘れることができない、イタリアの夏のかけがえのない思い出だ。

    今年は、初の陸からの鑑賞になる。
    23時過ぎ、鑑賞希望者7,8名でサン・マルコ小広場へ向かった。
    既に大勢の人が小広場を埋め尽くしている。

    23:30、始まった!
    あの懐かしいヴェネチアの花火が、再び目の前で繰り広げられている。




    写真提供:工藤 修氏

    速いテンポで次々と、夜空に鮮やかな色彩が映し出されていく。
    花火の質や正確さにおいては、日本の方が勝っているのかもしれないが、
    間断なく打ち上げられるそのスピード感は、躍動感へとつながり、
    これぞまさに祝祭、と実感させるイタリアでしか味わえない見事な空間演出が繰り広げられる。

    24時、サン・マルコ大聖堂の鐘が一斉に鳴り響いた。
    その音をかき消すかのように花火は尚一層勢いを増した。
    歓声と色彩と鐘の音と鈍い打ち上げ音、全てが一体となり、意識が花火と同化する。

    素晴らしい一日だった。
    AM1:30 就寝。


    2013夏の北イタリア旅情 ツアーの報告5〜ヴェネチア午後フリー〜

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      さあ、これからランチタイムだ。

      まずは大運河を向こう岸に渡る。
      といっても橋ではなく、今回はトラゲット(traghetto)と呼ばれる
      渡しゴンドラを利用した。私も初めて体験した。


      グリッティ・パレスホテル前から
      真横に大運河を横切る。
      所用わずか3分ほど。
      先ほどの飾り付けた観光用ゴンドラとは違い、ごくごくシンプルなものだ。



      トラゲット乗り場から見えた対岸のサンタ・マリア・デッラ・サルーテ
      (S.M.della Salute)教会


      トラゲット乗り場に並ぶ観光用ゴンドラと水上バス(vaporetto)の船着き場Giglio





      写真提供:工藤 修氏



      写真提供:工藤 修氏


      ここから目的地のペギー・グッゲンハイム(Peggy Guggenheim)美術館まで
      細い路地が続く。

      アメリカの富豪で現代美術のコレクターでもあったペギー・グッゲンハイムは、
      大運河沿いの白い瀟洒な建物を購入し、30年近くここで暮らした。
      1979年に彼女が亡くなったあとも、ピカソ、カンディンスキーなど超一流の前衛芸術
      作品がならぶ美術館として一般に公開されている。



      イタリア初日のランチは、この美術館内のカフェに予約した。

      普通の団体ツアーではまずありえない。
      これも小人数のオリジナル企画ツアーだからこそできる選択だ。

      食事は、近くの高級レストラン「アイ・ゴンドリエーリ Ai Gondolieri」がケータリング
      しているらしく、味の方も期待できそうだ。
      せっかくのイタリアなのだから、食べる時は一食一食をおいしくしないともったいない!


      路地の突き当たりに美術館の入り口が見えてきた。




      入り口で入館料を払って、緑で囲まれた中庭の小さなレストランに入る。
      冷房のひんやりした空気と冷たいドリンクで生き返るような心地だ。






      サクッとした食感のビスケットはヴェネト地方ではよく出される




      写真提供:工藤 修氏
      大ぶりのサラダボールに新鮮な野菜がつまっている




      エビとアスパラのリゾットはコクがあっておいしかった!


      午後はフリーだが、結局1名以外は全員が一緒にお薦めコースを散策することになった。
      名付けて「名画を訪ねて対岸お散歩の午後」。コースは以下のとおり。

      アカデミア美術館
          ↓
      映画「旅情」の1シーン、サン・バルナバ広場
          ↓
      サンタ・マリア・グロリオーサ・デイ・フラーリ教会
          ↓
      サン・トマからリアルト橋まで水上バスで移動
          ↓
      サン・マルコ広場



      まずは、ランチをしたP.グッゲンハイム美術館ほぼ並びのアカデミア美術館へ。



      アカデミア美術館は、ルネサンス期のヴェネチア派絵画の殿堂で、その作品の
      質の高さは他に類をみない。
      イタリア在住の頃一度訪れたことがあるが、残念ながらヴェネチア派を
      ほとんど知らずに観たので、大した記憶もない。
      今回は、自分のイタリア美術講座で数回にわたり取りあげたこともあって、改めて
      自分の目で確認したい絵画が幾つもあり、期待もふくらむ。


      まずはこの美術館の代名詞ともいえる“謎の名画”
      ジョルジョーネ(Giorgione 1476-1510)の「テンペスタ(嵐)」



      天才と謳われながら、わずか34歳の若さでこの世を去った画家の30歳頃の作品。
      思った以上に小ぶりの作品に驚く。
      全体がスフマート技法で柔らかく包まれるているのに、こちらを見つめる女性の
      まなざしは、なぜかそこだけがオブラートを剥いだ様にはっきりとこちらに注がれ、
      観る者を捉えて放さない。
      ヴェネチアの500年の変遷を見てきた彼女は、何を語ろうとしているのだろうか。


      今回もっとも印象に残ったのは、
      ティントレット(Tintoretto 1519-1594)の「奴隷を救う聖マルコ」だ。



      サン・マルコ同信会から依頼でこの絵が描かれたのは彼が29歳の時だった。
      ティツィアーノの工房から追い出された後、20歳頃には早くも独立して、この
      絵で衝撃のデビューを飾った。

      それまでの静かで抑制のきいた宗教画とは一線を画する、ダイナミックで激しい
      動きの絵は、そのあまりの革新性に当時は嫌悪感を抱かれたと言うが、なるほど
      G.ベッリーニやティツィアーノの優雅さとは異なる世界だ。

      彼の荒々しい筆使いや不穏な色彩表現は、私にとって心地よいものではなく、
      どちらかというと敬遠していた画家だったのだが、この作品は違った。

      大きな画面を突き破り、こちらにあふれ出してきそうな登場人物の動き。
      緊張高まる瞬間をさらに一層盛上げる、上から下方向への
      聖マルコのスピード感ある動き。
      目の前で繰り広げられるドラマにいつしか自分が巻き込まれていくような迫力だ。

      画集では決して感じることができない、まさに本物からしか得られない感動だった。

      「ミケランジェロの素描とティツィアーノの色彩を併せ持つ画家」。
      ティントレットが目指したものは、確かに彼の絵画に刻まれていると感じた。


      その他、カルパッチョ(V.Carpaccio 1460頃-1525/26)の「聖女ウルスラ伝説」
      シリーズの鮮やかな色彩も見事だった。
      (尤も、生牛肉の薄切り料理カルパッチョの色が絵画の中で使われている
       赤に似ている、とは私には思えなかったが・・・ちなみに料理名の起源はそこにある)、




      そして、以前は全く理解していなかったヴェネチア派絵画の創始者、
      ベッリーニ兄弟(Gentile &Giovanni Bellini 1429-1507 /1430-1516)
      の偉大さにも改めて気付かされた。




      弟ジョヴァンニ・ベッリーニの「聖母子と六聖人、天使たち」


      次に向かったのは、映画「旅情」の有名シーン撮影場所。




      ヒロインがカメラを構えながらどんどん後ろに下がりすぎて、運河に落ちるあのシーンだ。
      サン・バルナバ広場(Campo San Barnaba)広場に立つ同名の教会の脇に
      映画の中ではヒロインの恋の相手が営む骨董店、として登場するお店もちゃんとある。

      現在は土産店になっていて、何でも最近日本のTVで紹介されたらしい。
      子供向けのデザイン性高いおもちゃや、ポップなカードなど
      カラフルな商品が2フロアに並んでいて楽しい。

      ここから午後のけだるい日差しを浴びながら、さらに先に進む。
      細い路地を幾つも通り抜け、やっと3つ目の目的地に到着。

      サンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ教会(修道士の栄光の聖母教会)だ。
      Basilica di Santa Maria Gloriosa dei Frari

      ここには若きティツィアーノ(Tiziano)が手掛けた祭壇画の傑作、
      聖母被昇天」がある。

      イタリアに住む前、一人旅でヴェネチアを訪れた冬のある夕方、私は道に
      迷ってしまった。あたりはどんどん暗くなり心細くなる中、ふと前を見ると
      大きな建物があり、何気なく入ってみるとそこは教会だった。
      日は既にとっぷり暮れて、内部もよく見えない。中央祭壇のあたりだけが
      明るくなっていて、自然に足がそちらに向く。
      突然、一枚の絵が目に飛び込んで来た。
      物悲しいような色調の照明の中、女性が宙に浮上していく姿が見える。
      ほの暗い中で、彼女がまとう衣の赤だけが強烈に浮かびあがり、
      天を仰ぎ見るそのシルエットは、背景の黄金色によって不思議な輝きを放っていた。

      私はただ呆然として、その崇高な世界を見つめ続けた。
      目をそらすことができなかったのである。
      絵を前にこれほどの戦慄を覚えたのは、後にも先にもこれが初めてであった。

      ここがS.M.グロリオーザ・デイ・フラーリ教会で、闇の中で遭遇したのが
      ティツィアーノの祭壇画「聖母被昇天」だと知ったのは、それからしばらくしてのことだった。

      私の中でティツィアーノといえば、ローマのボルゲーゼ美術館の「聖愛と俗愛」でも、
      またフィレンツェのウッフィツィ美術館の「ウルビーノのヴィーナス」でもなく、
      この「聖母被昇天」があれ以来ずっと不動の位置を占めている。

      その感動をお伝えしたい、との思いで今回の散策コースに組み込んだ。


      日中は、後陣の窓から差し込む太陽光が天上の世界を演出する


      今回楽しみにしていたもう一つのティツィアーノの名画、
      「カ・ペーザロの聖母」は修復中(あるいは貸出中)で残念ながら見ることができなかった。


      昨日大運河沿いに見たカ・ペーザロ宮は、名門貴族ペーザロ家の邸宅として
      建てられたもの。死後この教会に眠れるよう、「聖母被昇天」などを寄進した。

      ティツィアーノは、彼の名声を不動とした「聖母被昇天」と共にこの教会で
      永遠の眠りについている。

      この後は、水上バスに乗って大運河の景色を楽しみながら
      リアルト橋まで移動するはずだったが、
      サン・トマの船着き場でバスチケットがうまく買えず、
      やむなく予定を変更し、サン・トマから渡しゴンドラで対岸に戻った。

      その後、道に迷うハプニングがあったが、なんとか17:00頃ホテルに帰着した。






      2013夏の北イタリア旅情 ツアーの報告4〜ヴェネチア午前観光〜

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        【3日目 7月20日(土)】 

        今日のスケジュール
        午前 ヴェネチア観光(ドゥカーレ宮殿、サン・マルコ大聖堂、ガラス工房見学、音楽付きゴンドラ)
        午後 フリー

        *ツアー日程詳細は「ツアー紹介」をクリックしてください


        6時起床。
        同室のCちゃんは既に外出したようでベッドは空。
        カーテンを明けて見る窓の外は、まだ若干薄暗い。

        7:30、初日なので
        全員そろって朝食に向かう。


        写真提供:工藤 修氏
        フルーツや何種類ものパンが並ぶブッフェ



        運河沿いにあるレストラン。
        左手正面がホテルのメインエントランスで、運河が左手に回りこんだところが
        昨日のタクシーが着いた場所。


        レストランは屋根付きのオープンエアで、
        すぐ横の運河を通る荷物運搬のボートのエンジン音と水音が、
        真近に響いてくる。

        まだ朝のうちのせいか、
        太陽も建物の陰にあり、空気も幾分涼しめだ。
        テレビによると、ヴェネチアの日中予想最高気温は32度。
        暑い一日になりそうだ。


        8:30、流暢な日本語で案内をするイタリア人ガイドのマリオさんと
        ともにホテルを出発する。


        ホテルを出てすぐのオルセオロ運河に並ぶ営業前のゴンドラ


        正面の建物のアーチをくぐると






        サン・マルコ広場(Piazza San Marco)に出た!

        朝早いおかげで、人影はほとんどない。
        こんなサン・マルコ広場に出会えるとはなんとラッキーなことだろう。

        建物1階の中央部の白い屋根があるところが、
        老舗の「カフェ・フローリアン」(1720年創業)だ。

        映画「旅情」のシーンでお馴染みの戸外席は、ほとんど一日中来客が
        絶えることなく、このシーズンはカフェ専属の小楽団の生演奏も聞ける。
        しかし、戸外席料+BGM料が加算されて、小さなエスプレッソカップの
        コーヒーが1杯1000円以上、と値段も超高級。
        これもヴェネツィアならでは・・・と思いながらも、やはり財布には痛い。



        カフェ・フローリアンの静かな朝のひと時。こんな時間帯にゆっくりしてみたい。





        サン・マルコ広場を15人で独占して、涼しい日陰でマリオさんの説明を聞く。



        サン・マルコ小広場((Piazzetta S.Marco)からみる
        ヴェネチアのシンボル「翼のはえたライオン像」(左)と「聖テオドーロ像」(右)。
        この2本の円柱の間で昔は公開処刑が執行されていたそうだ。
        手前は「ドゥカーレ宮殿 Palazzo Ducale」(左)と16世紀を代表する建築物
        「国立マルチャーナ図書館 Libreria Marciana」(右)



        そろそろ、ドゥカーレ宮殿から太陽が顔を出す。
        これから暑い一日が始まりそうだ。

        ヴェネツィア観光の最初の場所、ドゥカーレ宮殿に向かう。  




        「ドゥカーレ宮殿」とは、ヴェネチア共和国時代の総督の居城で、今でいえば
        大統領官邸にあたる。
        建物の中に国会、各種行政機関、裁判所そして牢獄まで付属している
        総合庁舎のようなところだ。

        内部はヴェネチアを代表する一流の画家たちによる絵画で埋め尽くされ、
        美術館と博物館を一緒に見ながらヴェネチアの栄光を実感できる場所である。




        最初の見学箇所、宮殿3階へ続く入口から入ると・・・・




        輝く天井が待っていた。







        見事な黄金の化粧漆喰で飾られた豪華な天井がずっと続いている。
        ここは「黄金階段 Scala d'Oro」と呼ばれ、
        往時は貴族しか通れなかったという。

        途中踊り場で振り返ってみると、床の大理石モザイクが3Dで浮き上がってみえた。




        内部は写真不可なので、
        残念ながら各部屋の圧巻絵画はここでは割愛する。

        個人的には、大評議会の間の天井を飾るヴェロネーゼの
        「ヴェネツィアの平和と繁栄」の美しさに魅せられた。

        この部屋ではいつもティントレットの「天国」に気を取られ、
        正直なところ天井を眺めたことなどなかった。そこで今回は、
        あえて天井をじっくり見上げてみたのだが、輝くばかりのブルー
        を背景に浮かびあがるヴェネツィアの寓意像は、「平和と繁栄」
        そのもので、圧倒的な存在感を放っていた。




        宮殿内から撮ったサン・ジョルジョ・マッジョーレ島(San Giorgio Maggiore)と
        同名の教会。ルネッサンス末期の著名な建築家であるアンドレア・パッラーディオ
        (Andrea Palladio  1508-1580)の代表作のひとつ。
        内部にティントレット(Tintoretto)作「最後の晩餐」がある。



        宮殿内の裁判所から新牢獄にのびる通路は「ため息橋」と呼ばれる。
        この橋から外を眺め、この世に別れを告げて(決して出てこれないため)
        ため息をついたことから、この名がつけられたそうだ。





        実際に眺めるとこんな感じで外が見える。



        ため息橋の内部通路からみる飾り窓



        橋の外観はこんな感じ






        最後は中庭の堂々たる「巨人の階段」をみて、宮殿見学を終えた。





        続いて、ヴェネチアの信仰のシンボルである「サン・マルコ大聖堂 Basilica di San Marco」へ。



        聖マルコは、新約聖書の4人の福音書家の一人である。
        エジプトのアレキサンドリアで殉教したが、9世紀の初めにその遺体がヴェネチア商人に
        よってヴェネチアに運ばれてきた。この聖堂は彼の遺体を祀るために建てられたもので、
        それ以降、聖マルコはヴェネチアの守護聖人となってこの町を守り続けてきたのだ。

        聖マルコのシンボルは「翼をもったライオン」で、
        ヴェネツィアの街のみならず、
        後にヴェネツィア共和国の支配が及んだ多くの地で
        このライオン像をみることができる。





        サン・マルコ広場の時計台の上のライオン像




        聖堂は生憎正面が修復中だった。

        東方貿易で栄えたヴェネチアには、どこかオリエンタルな雰囲気が感じられる。
        この聖堂のクーポラも、
        たとえばローマのサン・ピエトロ大聖堂のものと比べても
        石文化の壮大さ、というより繊細で神秘的な香りを漂わせている。





        露出の多い服装の人は、入り口で呼び止められ、
        くすんだ金色の布で腕や足を覆うように指示されていた。



        内部は一面、金色に輝くモザイクの旧約聖書物語で埋め尽くされている。
        中央の一段と大きいクーポラから差し込む太陽の光が、
        天上からの光のように思える。

        ヴェネチアの繁栄と富が、「金」を「永遠の神」に重ね合わせて聖堂内に集約されて
        いるのだ。静かで力強い空間のエネルギーがじわじわと伝わってくる。


        聖堂内のモザイク模様の床
        必ずしも一面平らではなく、ところどころ斜めに傾いている


        ヴェネツィアの代表的なお土産といえば、
        何といってもヴェネチアン・グラスだろう。

        共和国時代は国の経済を支える重要な輸出品で、
        その技術が他にもれないようガラス職人たちは
        ムラーノ(Murano)島に幽閉されていた。


        今回は、サン・マルコ大聖堂からほど近い
        観光用にガラス作りを見せてくれる工房の一つに行った。


        高熱でやわらかく溶かされたガラス



        混ぜ込む鉱物によって、さまざまな色合いのガラスになる





        ヴェネチアン・グラスを代表する赤は、「金」を混ぜて作り出す




        観光の最後は、ゴンドラでの運河めぐりだ。
        3艘のゴンドラに分かれ、そこに歌手とアコーディオン弾きが加わった。



        バウアーホテル前から出発









        細い運河を進んで行く。




        情緒ある風景が次々と出てくる





        大運河に出ると、風景が一気に広がりをみせた。
        歌手もさぞかし気持ちがいいことだろう。


        写真提供:工藤 修氏




        写真提供:工藤 修氏

        あっという間の40分だった。

        2013夏の北イタリア旅情 ツアーの報告3〜ヴェネチア〜

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           タクシーはぐんぐんスピードを上げ、
          空港が瞬く間に小さくなっていく。



          タクシーボート後部席から見えるマルコ・ポーロ国際空港


          ボートのモーター音と後方に白く伸びる水しぶきが
          軽快なリズムを奏でる中、
          前方にヴェネチア島がどんどん迫ってくる。




          ほどなくして細い運河に入ると
          タクシーは一気にスピードを落とした。
          ここからは普通の町でいうところの市街地だ。


          運河の両側に立ち並ぶ家々


          運河の両側にほとんど隙間なく建物が続いている。
          この一つ一つの建物の中で、
          ここで日々暮らす人たちの多種多様な生活が
          繰り広げられているのだろう。


          「華やかな観光都市ヴェネチア」、とは違ったもう一つの顔。
          生活都市としての普段着の一面を感じさせてくれる
          裏通りの一風景だった。


          突然、前方正面に白い瀟洒な建物が見えた。
          カ・ペーザロ(Ca' Pesaro)だ!


          ヴェネチア・バロックを代表するカ・ペーザロ。
          現在は現代美術館、東洋美術館になっている。


          水面に沿った2つの玄関アーチはどっしりしているが、
          2階、3階はそれとは対照的に細長く軽やかで、
          水の都の表通りを飾るにふさわしいエレガントさを演出している。

          明日の午後は、サンタ・マリア・グロリオーサ・デイ・フラーリ教会で、
          ティツィアーノの名作「カ・ペーザロの聖母」を見ることにしている。
          この館の主人が依頼した絵だ。
          依頼主や画家が生きたその同じ場所で名画が鑑賞できる贅沢、
          これもまたイタリア旅行の醍醐味に他ならない。


          ここからヴェネツィアの表通り、大運河(カナル・グランデ)をしばらく進む。




          大運河にかかる4つの橋の中で最大の大理石のリアルト橋

          リアルト橋をくぐってから、再びその先の細い運河に入り
          間もなくホテルに到着した。


          写真提供:工藤 修氏
          タクシーはホテルの船着き場に到着。
          人が降りたあと、船長がスーツケースを降ろしてくれる。

          水の都へは、やはり船からのアプローチが似あっている。
          船が着いたところがこれから2日間の館、とはなんとも
          古のヴェネチア貴族気分ではないか!

          チェックインを済ませ、明日の予定など簡単に確認して、
          各々の部屋に分かれる。
          全室を一通り回り、問題がないかチェック。
          同じ階でも上がったり下がったり、やや複雑な部屋並びもある。
          古い建物を改装したり、隣の建物にまで拡張したせいだろう。
          水回りは全室近代的設備になっていて、ホッとした。

          時刻は20:00近いが、外はまだ十分明るい。
          皆さん相当お疲れのはずだが、寝るには早すぎる明るさだ。

          何人かが連れだって、さっそくサン・マルコ広場方面へ繰り出して行く。

          私は、イタリアの親友ロべルタが
          近郊の町キオッジャ(Chioggia)からわざわさ会いに来てくれることに
          なっていた。
          最近乳がんの手術を終えたばかりの彼女だが、
          今日のために体調を整えて、友人二人とお兄さんの4人でロビーで待っていてくれた。

          約2年半ぶりの再会だ。
          思ったより元気そうでうれしくなった。

          お客様5人が加わり、日本人6人イタリア人4人で簡単な夕食に出かける。
          ロべルタが、リアルト橋付近で絵を売っていた若い女性に聞き出して、
          対岸の奥まったところにある、住人お薦めというピッツェリアを目指す。


          戸外席は満席だったので、中へ




          パリパリした生地のクワットロ・フォルマッジ(quattro formaggi)”4種類のチーズのピッツァ"




          英語とイタリア語を交えての日伊交流


          日本からの長旅後とは思えないパワフルさで
          大いに盛り上がった一団。
          イタリア人とのこんな時間の過ごし方って、やっぱりいいなぁ。

          時刻は22時を回った。
          キオッジャまでの水上バス乗り継ぎ時間や、
          翌日の彼らの仕事事情、
          そして私たちも明日からのプログラムに備えて休養が必要だ。

          ホテルまで送ってもらい、再開を約束して別れを告げた。

          ベッドに入ったのはおそらく24時過ぎ。
          成田で5時半に起床してから、既に26時間近く経っている。
          長い一日だった。

          2013夏の北イタリア旅情 ツアー報告3〜ヴェネツィア〜

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             【2日目  7月19日(金)】

            5:30起床。
            今日から1週間苦手な早起きが続く。寝坊だけは避けないと・・・

            毎回利用するANAクラウンプラザホテルの朝食ブッフェは、
            今回も変わらずリッチな内容だ。
            レストランに差し込む朝日は、今日も暑くなりそうな気配を漂わせる。

            7:30ホテル出発。
            15分ほどで第1ターミナル南ウイングに到着した。
            横浜からご参加のM.Cさん、鎌倉からご参加のS.Mさんも無事合流して、
            ルフトハンザ航空のカウンターに並ぶ。





            まだ夏休み前のせいか、それほどの混雑もなく
            手荷物検査、出国審査とスムーズに進み、
            あとはフランクフルト行きLH711便への搭乗を待つばかり。


            LH711
            成田からフランクフルトまで利用したルフトハンザ711便機材は
            総2階の大型機エアバス380。


            昨年の南イタリアのツアーでも利用したルフトハンザ航空の成田―フランクフルト間には、
            「空飛ぶ豪華ホテル」の異名を持つ大型機エアバス380が導入されている。
            総座席数は525。
            地上から垂直尾翼の先までの高さは、なんとビル8階分に相当するらしい。

            エコノミー席でも、すわるとゆったり感があり、
            特に前席との間が広めの設計になっているようだ。
            機内サービスも迅速で、大人数の割にはトイレもほとんど並ばないのがうれしい。

            10:00、機体はエンジン音をあげて、飛び立った。
            いよいよヨーロッパへ向けて出発だ。

            フランクフルトまでの飛行時間は11時間45分。
            到着は現地時間の14:30・・・ということは
            7時間の時差を計算すると、日本時間の21:30になる。

            機内ではゆっくりしたいところだが、
            1週間の行程最終チェックやら、
            観光箇所の資料読み直しなどやっておかなければいけない事が
            たくさん残っている。
            でもまぁ、焦らず、ゆったりと気分でいこう。
            バカンスのような優雅さは、どんな時でも必要だから。





            写真提供:工藤 修氏



            定刻よりやや早くフランクフルト国際空港到着。
            乗り換えの表示に従い、ヴェネチア行き328便の搭乗ゲートに向かう。


            写真提供:工藤 修氏
            乗り継ぎ時に使ったフランクフルト空港内列車。



            16:15 ルフトハンザ328便がヴェネチアへ向けて滑走を始める。
            今度は1時間20分の短いフライトだ。
            途中、ツアーの中盤で訪れるドロミテ上空を通過したはずだが、
            生憎の雲で下はほとんど見えなかった。



            機体は最終着陸態勢に入った。
            見えてきた!
            ラグーン(潟)に広がる最初の訪問地ヴェネチアだ。


            機内から撮影したヴェネチア島


            サン・マルコ(Piazza S.Marco)広場の高さ96,8mの鐘楼がひときわ高くそびえる。
            その奥に見えるのは、サン・ジョルジョ・マッジョーレ(S.Giorgio Maggiore)島
            の鐘楼だ。

            この角度からは、島の真ん中を流れる大運河は確認できないが
            間もなく船で通ることになるだろう。

            今から1500年も前、
            フン族の侵攻から身を守るため干潟に移り住んだ人々は、
            木の杭を潟に打ち込んでその上に石を積み上げ、次々と人工の浮島を増やしていった。
            それが現在は大小合わせて177島。
            埋め立てられなかった部分が
            水路として多数の運河を形成することになる。
            150を超す運河が400近い橋で結ばれた水上都市、それがヴェネチアだ。

            ほぼ定刻の17:30、ヴェネチアのマルコ・ポーロ国際空港の滑走路に
            機体は軽やかに着陸した。

            さぁ、いよいよ北イタリアツアーの始まりだ。
            ヴェネチアの空気を吸い込むのは、何年ぶりだろうか。
            湿気をおびた風とやや西日がかった夏の太陽が、どこかで懐かしさを呼び起こす。


            ここからヴェネチアのタクシー
            (といっても車は一切走っていない。ここでは全てが水上交通だ)
            であるモーターボートで、ヴェネチア島の中心部にあるホテルに向かう。


            空港施設を出てタクシー乗り場へ向かう




            右下のモーターボートがタクシー




            一人づつタクシーに乗船。
            船長がさりげなくエスコートする。

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