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2015ヴェローナ野外オペラとドロミテの絶景ツアー報告(9)ベルガモ旧市街の魅力

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    7日目 6月24日(水)


    今日は朝から快晴。





    午前中は、丘の上にある旧市街チッタ・アルタ(Città Alta)の散策観光、
    午後はフリータイムですが、希望者で
    カッラーラ絵画館(Pinacoteca dell' Accademia di Carrara​​​)にも足を運びます。


    ​今回初の試みとして、
    観光専用バスを使わず、公共路線バスで移動することにしました。

    ​終日乗り放題チケットをお配りして、さっそくホテル前から1番バスで旧市街へGo!






    通勤時間をやや回っていたせいか、長い車内はそれほどの混雑もなく
    そのうちほとんど全員座ることができました。

    大きなカーブを描きながら坂道を上り、15分もしないうちに
    ​終点のコッレ・アペルト広場に到着。
     
    そこからS.アレッサンドロ門をくぐって旧市街に入ります。
     
    丘の上に広がる旧市街は、東西1.5キロ、南北0.8キロほどの大きさで
    中世サイズを肌で感じられるコンパクトさです。

    ベルガモの歴史は古くはローマ時代に溯り、
    現在の旧市街を北西から東南東に貫くコッレオーニ通りは
    そのままローマ時代の東西方向のメインストリート、デクマヌス(decumano)に重なります。
     




     
    お店が両側に並び、細い道の割には観光客も多いので
    あえて表通りを避け​、コッレオーニ通りに平行して走る1本裏通りに入りました。





     
    ご覧のように中世に迷い込んだかのような風情ある小路。

     
    やや進んだところには、この町が生んだ19世紀前半の大作曲家
    ドニゼッティ(Gaetano Donizetti 1797-1848)の博物館があります。

    彼が9歳で入学した、当時の慈悲音楽院を博物館にしたもので、
    少し前までは音楽学校として使われていました。

    そのころは、​静かな通りにピアノの音が響いてきていたそうですが​、
    今はひっそり静まり返った空間です。



    内部には、ドニゼッティゆかりの遺品などが展示されています。



    自筆のオリジナルの楽譜

     
    博物館内部の様子



     
    このベッドで50歳の生涯を閉じた



     
    梅毒と精神疾患を患い、頭を真っすぐにして座ることができなかった晩年のドニゼッティ
    が使用した支え枕付きの椅子


     
    ドニゼッティは全部で70ほどのオペラを世に送り出していますが、
    中でも「愛の妙薬(L'elisir d'amore)」「ランメルモールのルチア(Lucia di Lammermoor)」
    現在でも度々上演される人気オペラです。



     
    次に向かったのは、旧市街の中心ヴェッキア広場(Piazza Vecchia)



     
    正面がかつての市庁舎ラジョーネ宮(12C)、その右隣に建つのは市の塔(Torre Cività)
    で高さは53メートル。ロンバルディア州最大の鐘楼。





     
    レストランの真っ赤なゼラニウムが広場のアクセントになる



     
    階段を飾るサフィニアが美しい


     

    ベルガモ市民がこよなく愛するこの広場では、様々な屋外イベントも開催され、
    まさにベルガモの顔といえる場所です。
     
    15世紀半ば以降は、ヴェネツィア共和国の支配がこの地にまで及び、
    ラジョーネ宮の正面バルコニーには、ヴェネツィアのシンボル「有翼のライオン」
    が今もその姿をとどめています。
     
    公共建築物としては、ロンバルディア州で最も古い建物です。

     
    市の塔は、カンパノーネ(巨大な鐘楼の意味 campanone)の愛称で親しまれ、
    階段もしくはエレベータで上まで上ることができます。
     
    現在でも毎晩22時に100回鐘が鳴らされるそうです。



     


     
    上は地上53メートルから見下ろしたヴェッキア広場の様子です。


     
    S.マリア・マッジョーレ教会の八角形のクーポラ(中央)と鐘楼。
    手前は聖具室部分を改修して建てられたコッレオーニ礼拝堂。



     
    西側にはサン・ヴィジリオの丘(Colle S.Vigilio)が見える。ケーブルカーで約5分の距離。



     
    ヴェッキア広場の南側。手前の赤茶色の瓦屋根の向こうに広がるのが新市街。


     
    薄水色の空の下、明るいレンガ色の瓦屋根が高く低く変化をつけながら、
    それでいて全体は見事な統一感をもってまとまっています。

     
    丘の上の旧市街チッタ・アルタ(高い町)の中世的風情と、
    平野に拡張された新市街チッタ・バッサ(低い町)の近代的景観。

    全く異なる時代の2つの風景が​
    何の違和感もなく、ベルガモという一つの街として
    絶妙に溶け合っているのを感じました。

     

     
    広場の​中央に置かれた噴水



     
    噴水の周りを取りまくライオンは、顔だけ見ると女性のようにも・・・


     
    ラジョーネ宮の後ろ側には、旧市街を代表するもう一つのモニュメン
    コッレオーニ礼拝堂 Cappella  Colleoni」があります。
     
    ヴェネツィア共和国の傭兵隊長として活躍したコッレオーニ(1400-1475)
    生まれ故郷のベルガモに自らの墓所をつくらせ​たもので、
    何色もの色大理石が織りなす外観の細やかな模様は、目をみはるばかりです。

     

     

    S.マリア・マッジョーレ教会の西入り口「赤ライオンの門」(左)とコッレオーニ礼拝堂(右)
     

     
    コッレオーニ礼拝堂のレース模様を思わせるような繊細な彫りのバラ窓

     

    高さの割に意外と奥行きは浅く、
    入り口正面にコッレオーニの騎馬像が、またその下に彼の石棺が置かれていました。
     

    コッレオーニの華やかな礼拝堂と対称的なのが
    すぐ隣に並ぶS.マリア・マッジョーレ教会(Basilica di Santa Maria Maggiore)で、
    こちらは質素な外観のどっしりとした12世紀のロマネスク建築です。​
     

    ところが中に入ると雰囲気は一変します。

    外の素朴さとは裏腹に全体が16世紀、17世紀の改修により
    絢爛豪華なバロック様式で飾られているのです。

    ドニゼッテイの墓も教会内部にありました。
    偉大な音楽家の喪失を嘆き悲しんだり、憤慨したりする7人の天使のレリーフは
    ​ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シの各音階を表しているそうです。
     
    内部で写真を撮る時間が無かったためご紹介できないのが残念です。
     
    実は、ヴェッキア広場がヴェネチア支配下で整備される以前は
    ドゥオーモ広場」と呼ばれるこちらが、ベルガモの中心地でした。
    歴史を遡ってみると、この場所がローマ時代のフォロ(広場)と一致することがわかります。
     
    コッレオーニ礼拝堂のルネサンスの華やかさと、S.M.マッジョーレ教会の中世の素朴さ。
    一見質素な教会が一歩足を踏み入れると、華麗なバロックの世界に変身する。
    こんな二重の対比が楽しめる「ドゥオーモ広場」でした。


     

    ランチはベルガモ名物の「カソンチェッリ(casoncelli)」にしてみました。

     



     
    半月形をしたラビオリ(ravioli 詰め物パスタのこと)の1種で、
    ベルガモ風は、中にパン粉、パルミジャーノチーズ、豚ひき肉、イタリアン・パセリ、
    さらに干しブドウ、レモン汁、アマレットを混ぜ合わせた具を入れます。

     
    ゆであがったパスタをバターとパンチェッタ、サルビアの葉入りのソースで和えて
    食べる時にパルミジャーノ・チーズをふりかけます。
     
    こうして材料を並べるとかなりヘビーな響きですが、
    実際に食べてみるとそれほどしつこくなく、
    夕食を気にしなくてもいいのなら、ペロッと平らげたかも・・!
     
    「名物に美味しいものはない」、なんてよく耳にしますが
    これは期待を上回る一品で、もう一度食べたいと思わせる名物料理でした。



     





     
    食後にブラブラした町の中ではこんなものが・・



     

    ディズニー絵柄のビスケット





     
    ユニークなトッピングが見ていて楽しい切り売りピザ





     

    ​​きれいにそろった石畳の模様は魚の骨のよう





     
    店先に置かれた牛のオブジェがキュート!チーズ屋さんだったのかなぁ・・





     
    昼休み時間で人通りが少ないゴンビト通り





     
    もう一つのベルガモ名物のスイーツ「ポレンタ・エ・オゼイ」。
    表面を覆う黄色のマジパンの上には小さなチョコレートの鳥、となんとも不思議な組み合わせ。



    S.アゴスティーノ門から旧市街を抜けて、木々の爽やかなノカ通りを
    下ると、カッラーラ絵画館(pinacoteca dell'Accademia Carrara)に到着です。


     
    ノカ通り

     


     
    ネオクラシック様式の絵画館の正面




     
    ここには15〜18世紀のヴェネツィア派絵画が系統立てて展示されています。
     
    2015年4月に7年ごしの修復を終えて再オープンした直後ということもあり、
    館内も大変きれいで気持ちよく鑑賞できました。

     
    驚いたのはその収蔵作品のボリューム。
     
    展示作品も展示室も思ったよりもずっと多く、
    とりわけ最近興味がある、ヴェネツィア生まれの異色のルネサンス画家
    ロレンツォ・ロット(Lorenzo Lotto 1480-1556)に関しては、
    彼がこの町に13年近く滞在したこともあってか、
    数点の作品に出会えたのが大きな収穫でした。
     
    思いがけず、見ごたえ一杯の穴場スポットでした。




     
    L.ロット 「聖女カテリーナの神秘の結婚」 1523  189.3x134.3




     
    L.ロット 「ルチア・ブレンバーティの肖像」 1521-23 52.6x44.8





     
    L.ロット 「聖家族と聖女カテリーナ」 1533  81x115




     
    椅子に座ってゆっくり鑑賞できるように各部屋には椅子が置かれている




     
     
    巨匠G.L.ベルニーニの父、ピエトロ・ベルニーニ作品「アンドロメダ」もあった!






     
    午前中博物館で見た、特別仕様の椅子に座る晩年のドニゼッティを描いた一枚 G.Rillosi 1848






     
    ロマン派の画家F.アイエツの「キプロスの女王カテリーナ・コロナーロ」。
    ドニゼッティに同名のオペラがある。






    カッラーラ絵画館から再び市バスを利用してホテルへ。

    地元の乗り物を使うので、旅行者でもどこか住んでいる気分が味わえます。

     
    小さいながらも歴史と芸術が豊かなロンバルディア州の古都ベルガモの1日は
    観光でありながら観光だけにとどまらない、
    満足感たっぷりの心に残る時間でした。

     



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