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美しくて美味しいパレルモのはなし

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    1日目 4月24日(日) 午前 パレルモ   


    まずは町の中心クワットロ・カンティ(四辻)。

    朝から抜けるような青空が広がります。







    2本の大通りが交わる交差点の

    4隅の建物をご覧のようにカーブを付けて削るなんて、

    現代でもなかなかできない大胆な発想です。



    中世には、港から始まる1本道(現V.エマヌエレ通り)が

    真っすぐ王宮まで伸びているだけ、という

    シンプルそのものだったパレルモの中心に

    徳川幕府が開かれたちょうどその頃、

    1本道と垂直に交わるマクエダ通りを造ることで、

    街中に野外劇場のような空間を誕生させたという訳です。




    私の記憶では、

    車やオートバイなどの往来が激しく

    交差点の真ん中に立って写真を撮るなんてありえなかったのに・・

    日曜日ですいているから・・?

    と思いきや、なんとV.エマヌエレ通りは歩行者天国になっていました!




    突当りヌオーヴァ門の先がノルマン王宮。





    それほど幅の広くない通りの両側にはお店が並んでいます。

     
    これも以前に比べると格段に近代的になっていて驚きです。

     
    そのせいか、以前のどこかヨーロッパ的でない雑踏を歩くという、

     
    不思議なワクワク感が減ってしまったのは、ちょっぴり残念ではありましたが・・・!



    メインストリートから眺めた小路。どこか異国情緒が漂う。



     
    やはりパレルモに来たら、この場所ははずせません。


     

    マルトラーナ教会(左)とモスク風のサン・カタルド教会(右)


    通称マルトラーナ(Martorana)教会(正式にはサンタ・マリア・デッラミラーリオ S.Maria dell'Ammiraglio)。

    1143年、ルッジェーロII世の臣下、海軍提督(=アンミラーリオ)G.ダンティオキアによって建設されました。





    マルトラーナ教会内部の後陣はビザンツ様式で、全体が金のモザイクで輝く。
    入り口側は16世紀以降の改築によるバロック時代のフレスコ画で飾られている。






    正面左手にある、「聖母に聖堂を捧げる提督ダンティオキア」のユニークなモザイク。
    総督が亀の姿をしているのは聖母への忠誠心を表すため。






    正面右手にある、「キリストから戴冠を受けるルッジェーロII世」。
    ローマ法王を介さずキリスト直という図像は、当時の王国の強大さを誇示するメッセージでもある。





    ところで、2015年にイタリア51番目のユネスコ遺産に登録されたのは、

    「アラブ・ノルマン様式のパレルモと、チェファルー、モンレアーレの大聖堂」です。


    アラブとノルマン、すなわちイスラムとヨーロッパの2つの様式を持つ、ということになります。




    モスクを思わせる赤いドームが載っているが、建築当初かられっきとした教会のサン・カタルド


    そもそも、ノルマンとは何でしょうか?

    バイキングの子孫とされるノルマン人たちが祖国ノルマンディー(フランス北西部)から

    新天地を求めてシチリア島に渡って来たのは11世紀半ば(1061)のこと。

    シチリアをアラブ人の手から取り返したかったローマ教皇の後ろ盾を得て、

    混乱するアラブ人支配下の全島を掌握して、1130年に初代ノルマン王に即位したのが

    ルッジェーロII世(在位1130-1154)です。


    ノルマン人宮廷の凄かったところは、けた外れの異文化融合策

    当時のパレルモには、アラブ人、ギリシア人、ラテン系人が共存していました。

    これは、

    ラテン・キリスト教文化

    ギリシア・ビザンツ文化

    アラブ・イスラム文化

    が同時に成立していたことを意味します。




    パレルモの大聖堂カテドラル。ノルマン様式の鐘楼と西ヨーロッパのクーポラ、アラブ風模様が混在する。



    パレルモの守護聖女「聖ロザリア」とアラブ風のアーチ模様で装飾されたカテドラルの壁



    同じ民族間でも紛争を続ける国が絶えない現代の国際関係からすれば

    まさに奇跡のような光景です。




    パレルモ観光のハイライトであるパラティーナ礼拝堂に向かう前に

    イタリア人ガイドMS.チェッテーナのお奨めのバールで一休みしました。

    彼女によると、ここのカフェとスイーツはパレルモ1とのこと。



    ヌオーヴァ門を抜けてすぐ右(写真の左)の黄色い建物が、Bar Cappello


    一見どこにでもある普通のバールですが、

    中に入ってもうびっくり!

    これがイタリア?と目を疑いたくなるほどの華麗なスイーツが並んでいます!



    生フルーツがふんだんにのったロールケーキは長さ約12センチ。
      



    このボリュームで1個2,5ユーロ(約310円)は安い!



    色彩も鮮やかでどれも美味しそう!





    Iさんが注文したこちらは、こぼれんばかりのピスタキオで全体が覆われたケーキ。

    Iさん談 「リコッタチーズのクリームがとってもなめらかでとろけるよう!」


    でも長さ10センチのボリュームを食べ終えるのには苦労したようです(笑)







    こちらはシチリアを代表するスイーツ「カンノーロ cannolo」。

    外側のクッキー生地はカリカリというより、バリバリに限りなく近く・・・

    つやのある滑らかなリコッタチーズのクリームにオレンジピールがおしゃれに乗っかっています。






    食べる直前にリコッタチーズクリームを入れるのが本式。

    これだと常に生地の食感を楽しめるからです。

    お姉さんが後ろでクリームを詰めていますね。


    ちょっと休憩のつもりが、あっという間に30分近くたってしまい、

    慌ててノルマン王宮へ向かいました。




    古くはカルタゴ人の時代の城塞にまでさかのぼるという歴史ある高台に建つノルマン王宮

    現在はシチリア州議会場として使われています。

    外観はほとんど往時の面影を残していませんが、

    内部は2階、3階の幾つかの部屋にパレルモを代表する芸術品を所蔵しています。

    イタリアの3連休中日ということもあり、

    ノルマン王宮前は長蛇の列でしたが、現地ガイドの計らいでなんとか時間内に入場できました。



    中に入っても混雑は相変わらず。
    パラティーナ礼拝堂入り口に並ぶ行列。回廊の廊下の上側の壁は一面17世紀の新しいモザイクで覆われている。




    モザイク拡大



    そしていよいよパラティーナ礼拝堂 Cappella Palatinaへ入ります。



    一歩足を踏み入れたそこには、別世界が待っていました。








    長さ32メートル、幅12,4メートルの空間全体が

    神々しい金の光に包まれているかのようです。

    聖書の「創世記」や「キリストの生涯」「聖ペテロと聖パオロの生涯など

    四方を取り囲むモザイク画の壁から

    祝福の言葉が降り注がれてくるような錯覚に捕らわれました。




    天井はスタラクタイトと呼ばれるアラブ風の見事な装飾。木が鍾乳石状に細工されている。



    この礼拝堂は、個人的な祈りの場として、

    ノルマン王朝初代の王、ルッジェーロII世によって建設されました。

    金をふんだんに使ったモザイクは美術的にも当時の最高水準で仕上げられ、

    大理石の床や凝った木材装飾の天井は、

    アラブ文化の優雅さと高度さを物語っています。



    たとえそれが王であれ、

    一個人のためにこれだけの財と腕を集約させることができたことが

    そのままルッジェーロII世の治世の偉大さを物語っているといえるのでしょう。




    「天使に囲まれた全知全能のキリストパントクラトール)」


    今回初めて、3階の「ルッジェーロの間」を訪れることができました。

     
    後世の改築によりほとんどが失われた中で、

     
    唯一ノルマン時代を継承している部屋で、王の寝室に使われていたそうです。

     




    こちらも金を余すところなく使った豪華なモザイクです。


    「狩の場面」に登場する動物たちの描写が


    ユーモラスでどこか愛くるしく、


    「明日の狩りはどういう作戦で行こうかな」と楽しみながら思案する


    ベッドの上のルッジェーロ王の姿が浮かんでくるようでした。




    王宮を美術ギャラリーとして利用する新プロジェクトが始まったそうです。


    この日の行列が凄かったのは、連休をアートで楽しもうというパレルモ市民


    が多かったからかもしれませんね。









     1時過ぎにランチレストランへ。

     早くも初日からイタリア人の時間帯導入です。



     今日はプリモ(パスタ)無しで、


     1.前菜ブッフェ


    向こうのテーブルに所狭しと並ぶ前菜の数々に目移りしながら選んだ盛り合わせ。
    アランチーニ(ライスコロッケ)が小さくて助かった!





     2.セコンド(メイン)はカジキマグロのシチリア風


    トマトソース煮込みのこちらが定番だが、日本人にはシンプルなソテーの方がいいかも・・


    3.ミックスサラダ+デザートでした。


    シナシナレタスにトマトの酸味と甘さが程よく馴染み、いくらでもお腹に入るサラダ。美味!



     やはりシチリアはご飯が美味しいです!! 

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