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アグリジェントの神殿

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    3日目 4月25日(月) 午前 アグリジェント



    2連泊したパレルモを出発し、内陸部を南下してアグリジェントに向かいます。


    連休最終日の朝のせいか、パレルモ市内の道路はどこもすいていました。

    ほどなく一般道に入ると、あたり一面緑豊かな風景が広がります。








    シチリアは地中海最大の島で、

    その大きさは四国と九州の中間くらい。

    この辺りはさほど大きな山も無く、山にも木はほとんどありません。






    黄色の野花と緑の草が穏やかなコントラストをみせてくれます。









    パレルモからおよそ2時間、

    前方にアグリジェントの神殿が見えてきました。





    アグリジェントは、紀元前5世紀には30万もの人口を有する

    非常に繁栄したギリシア人の町でした。

    その時代に建設された神殿が、町はずれの丘に並んでいます。神殿の谷



    順調な発展を遂げて、国土が手狭になったギリシアの各都市国家は、

    紀元前8世紀以降、地中海沿岸の新天地に次々と植民地を築いていきました。

    アグリジェントはこの後見学するシラクサと並んで、

    シチリアを代表するギリシア植民地(大ギリシャの栄華を今に伝える観光地です。



    日本語で案内してくれたガイドのアレッサンドラ。

    頭からすっぽり覆った彼女の真っ赤なウインドブレーカーが示すように

    遮るものが何もない神殿の谷(実際は丘の上ですが、こう呼ばれています)を通る風は

    強くて冷たい!





    どう見ても4月下旬とは思われませんね。

    某U社のウルトラライトダウンに助けられました!






    ヘラの神殿




    最初に見たのは「神殿の谷」の東端に建つ「ヘラの神殿」。

    BC460-440頃の建設とされています。

    どっしりとした柱が基壇に並ぶこの神殿の前で、かつては結婚の儀式が執り行われていました。





    ヘラ神殿の下にある幹の太いオリーブの木に思わず見とれてしまう。樹齢はおよそ500年!




    オリーブの木の説明看板 「ヘラ神殿のオリーブ」とある。





    次の神殿に向かってまっすぐ伸びる道の両側には、アーモンドとオリーブの木がびっしり。









    アーモンドの木々の向こうに見えるのが現在のアグリジェントの町。




    毎年2月にはアーモンド祭りが開催されるアグリジェント。



    あたり一面が桜とよく似たアーモンドの花で埋め尽くされるなんて

    想像しただけでうっとりしてしまいます。





    この時期は既に青い実をつけるアーモンド。





    途中、見えてきたのは

    ギリシア人時代の城壁で後にキリスト教徒の墓として利用された遺構。





    アーチ型の部分が墓として使われた







    かつての堅固な城壁も、長い年月を経て崩壊してしまった部分が多く、

    その切れ間から地中海が望めます。




    空と海と緑の平野が広がる風景はのんびりそのもの




    「神殿の谷」の主役はもちろん神殿遺跡ですが、

    それと同じくらい興味深いのは四季折々のたくさんの植物でした。






    背丈をはるかに超える野生のエニシダ






    シチリア各地で見られるサボテンもかなり巨大。いたずら書きが悲しい。


    何とサボテンの実は、イタリア人に人気のフルーツなのです!

    武骨な外見からは想像できないほど、ピンクの果肉がかわいい甘い果物で、

    インドのイチジク」(fico d'India)と呼ばれています。

    (日本名 ウチワサボテン)




    夏が終わるころ、オレンジ色の実になると収穫開始





    こちらは、コリント式柱頭の装飾モチーフになっているアカンサス

    力強い生命力が、繁栄のシンボルとして好まれたようです。

    ちなみに日本名は「ハアザミ」で、ギリシアの国花です。


     






    これはオリーブの花。



    小さくて地味な花。葉色と似ているためか近づかないとわからないほど。






    巨大な多肉植物園のような土手。















    神殿の谷で最も保存状態の良い「コンコルディアの神殿」が見えてきました。







    「コンコルディア」は「和解」「調和」を意味するローマ神話の女神で、

    後の時代にこの近くで発見された石碑にちなんで、神殿の名前として使われました。


    ギリシア人の時代は、おそらく双子の神「ディオスクリ」に捧げられた神殿と考えられています。







    紀元前5世紀半ば頃に建設され、

    その後初期キリスト教時代の6世紀末、教会に転用されました。

    そのために世界でも類を見ないほどの完全な姿を今日に伝えています。


    神殿とはかくも美しく高貴なものかと、見とれてしまうほどです。




    横19.7x縦42.2x高さ13.4  見事な建築上の計算に基づく設計。
    正面6本、側面13本の柱が並ぶ神殿は、古代には鮮やかに彩色されていた。






    コンコルディア神殿のほぼ正面にあるのが、5つ星ホテルの「ヴィッラ・アテナ」。

    夜になるとライトアップされた神殿が眺められる、抜群のロケーションが人気です。











    さらに進むと、3つ目の「エルコレ(ヘラクレス)の神殿」です。







    アグリジェントでは最も古く、紀元前520年頃の建造とされています。

    神殿の奥行きは、コンコルディア神殿の2倍弱(73メートル)もあったようで、

    古代アグリジェントの住民が、いかに英雄ヘラクレスを崇めていたかがうかがわれます。









    瓦礫の山だったものが、

    イギリス人考古学者ハードキャッスル卿によって20世紀前半に復元され、

    現在は8本のどっしりとした力強い柱を見ることができます。










    最後は、アグリジェント最大級の「ゼウスの神殿」。

    人間の都市の中で最も美しい」と古代の詩人ピンダロスが讃えたこの町の

    繁栄を誇示するかのような巨大な神殿のサイズは、113mx56m

    今から2500年前に東京ドームの約半分の面積を持つ建造物がこの場所に

    存在したことにただただ驚くばかりです。




    ここも、エルコレの神殿同様、現在は神殿を偲ばせるものはほとんど残っていません。




    横幅56メートルあった神殿の正面基壇部分





    広大な敷地に今は石材が点在するのみ








    高さ17メートルだった神殿の柱の上半分は、

    男像柱テラモーネ telamone)と呼ばれる飾り柱で、

    この部分だけで7.6メートルもありました。

    腕を曲げて重荷を支えるポーズで神殿正面を飾っていた訳です。<下写真参照>

    これは単なる装飾というより、ギリシア神話の物語に重なるかのように

    建物の重圧を支える補助の役割も兼ねていたと考えられています。





    アレッサンドラさんがイラストを使って説明してくれた




    こちらが神殿跡に横たわる男像柱のレプリカですが、並んでみると本当に大きい!

    改めて往時の神殿の規模に圧倒されました。








    観光を終えて、神殿の谷から数分のところにあるホテルに向かいました。

    今日はこちらのレストランで、「神殿を眺めながらのランチタイム」です。



    風が強かったため、お席は屋内に準備されていました。



    メニューはシチリア名物「イワシのパスタ」。







    あれっ、イワシがない・・と思ったら、ソースに混ぜ込んであるそうで、

    どうやら、イワシが形を残して上に乗っているのは「パレルモ風」、

    今回の混ぜ込むタイプは「カターニャ風」とのこと。


    2種類あるとは知りませんでした。


    魚の生臭さを消すためにイワシのパスタには欠かせない

    香草のフェンネルが添えられていないところは気に入りましたが、

    それはつまり、においを消すほどイワシ臭さがないということ。



    日本人としては、やはり、イワシの姿が目で確認できて、

    「入っている」とすぐわかるくらいの風味がある方がうれしかったかなぁ・・・


    でもお味もアルデンテ具合も、とてもよかったです!




    この日のサラダもシンプルながら美味しかった!のんびり気分にお酒も進み、ついつい地元の白ワインを昼からボトルで2本。



    食後に広い庭を散策してみました。




    テラスからはコンコルディア神殿が見える









    木立のようなサボテン群。

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