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復活祭

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     今日から4月。
    月曜日が1日ということもあり、全てが今日から新たにスタート!と、
    新鮮な気分になります。

    ちなみに今年のイタリアは、今日はお休みの日です。

    というのも、昨日3月31日が今年の復活祭で、その翌日は
    パスクエッタ(pasquetta)ー小さな復活祭ーと呼ばれて連休になります。

    フランシスコ法王が選出されて最初の復活祭も無事終わりました。
    サン・ピエトロ広場を埋め尽くす信者の前で、法王はあの静かな語り口で
    世界の平和を呼びかけました。
    ただ、これまで恒例だった「世界各国の言葉で“復活祭おめでとう”を言う」のは、
    今年は取りやめになったようです。






    私は一度、故ヨハネ・パウロ2世の日本語の「復活祭おめでとう」を聞いたことがあります。
    サン・ピエトロ大聖堂のバルコニーに立つ、豆粒ほどにしか見えない法王さまを広場から
    見つめながら、今か今かと日本語の順番を待ちわびていました。

    「あれっ、今の日本語だった・・・のかな?」

    お疲れもあったのか、語学堪能なヨハネ・パウロ2世とはいえ聞き取りやすい
    日本語でなかったのが残念。

    広場に集ってくる外国人たちは、結構あれを楽しみにしていたんですね。
    自国の言葉で法王が言われたあと、国旗を振って歓喜していたのが印象的でした。

    そもそも復活祭とは、イエス・キリストの復活日にそれを祝う宗教行事です。

    実はクリスマスのように、「毎年この日」と決められているのではなく、年毎に変わる
    移動祝日です。
    「春分の日以降の最初の満月のすぐ後の日曜日」、というのがその規定。
    今年は、3月27日が満月でしたから、その直後の日曜の昨日が復活祭だったのですが、
    来年2014年はぐっと遅くなり、4月20日です。

    宗教離れが著しいイタリアですが、クリスマスと復活祭だけは盛大にお祝いします。
    クリスマスは家族そろって食卓を囲み、復活祭は好きな人と過ごす、というのが
    イタリア流です。
    (もっともどちらも家族で過ごす人が圧倒的に多いかとは思いますが・・・)

    復活祭に欠かせないイタリアのお菓子といえば

    まずこの大きなチョコレートの卵。






    中が空洞の薄いチョコレートで、特注で中にサプライズプレゼントを入れることも
    できます。

    綺麗なセロハンで包まれた大小さまざまな種類が、この時期
    スーパーやお菓子屋さんの店頭を飾ります。

    また、コロンバ(colomba)と呼ばれるこんなケーキも出回ります。




    これは何を表しているかお分かりですか?

    実は、鳩の形になっています。
    コロンバとはまさに鳩を意味しますが、聖霊の象徴、平和の使者の鳩が
    復活祭に各家庭を訪問するんですね。

    中にアーモンドが入っていた記憶がありますが、「おいしいっ!」って程では
    なかったような・・・
    クリスマスのパン・ドーロは何個も買って食べましたが、コロンバは買わない年のほうが
    多かったです。

    最後に宗教的なことをちょっとご紹介しておきましょう。

    復活祭前の1週間は、「聖なる1週間」という特別の期間にあたります。

    まず「聖木曜日」。
    この日は、イエス様が弟子達と最後に夕食を共にされた晩です。
    ダヴィンチの「最後の晩餐」の場面ですね。
    この後、ユダに裏切りにあいイエス様は捉えられます。
    ローマでも多くの教会が、祈りを捧げに来る信者のために一晩中
    灯りをつけて開放されていました。

    翌日は、イエス様がゴルゴダの丘で磔刑された日、亡くなった日です。
    重い十字架を背負って、処刑場に向かうイエス様の受難を思い起こす、
    ということで、今でも住民がイエス様に扮した受難劇を行っている町や
    村もあります。

    首都ローマでは、この日の夜特別なミサが開かれます。
    場所は、なんとコロッセオ。



    コロッセオ


    ローマ時代は闘技場として、たくさんの人間や動物が犠牲になった場所ですが
    1800年代初頭、コロッセオの大々的な補修工事をしたのをきっかけに
    教会に転用されました。
    サン・ピエトロ大聖堂改築の際、大量の石材がコロッセオを崩して運ばれていった
    ことへのお詫びをこめているのかもしれませんね。

    以前はコロッセオの2階のアーチの一つに法皇様がお立ちになり、
    集ってきた信者たちにメッセージを伝えていましたが、
    現在はコロッセオとなりにある、古代ローマの神殿「ローマの女神の神殿跡」
    で儀式を執り行っています。

    なぜか、復活祭が近づくと天候不安定になることが多く、
    私の記憶でも、一度は強風と大雨、また気温の急激な低下など、
    まさに受難を偲ぶのにぴったりの気候だったという印象が強いです。

    聖書によると、息絶えて3日後にイエス様が復活なさる、とあるので
    金曜から数えて3日後の日曜日が復活日となるわけです。

    復活祭翌日のパスクエッタ(pasquetta)は、イタリアではピクニックに行く
    習慣があります。

    私も友人達に誘ってもらい、「イタリア版なべっこ遠足」を楽しんだことがあります。



    picnik



    大きな鍋で茹でたシンプルなトマトソースのパスタと
    大量のお肉でバーベキュー!

    普段はローマはミラノに住んでいる彼らは、生まれ育ったこの
    小さな村が一番ホッとする、と毎年必ずここに集るんですって。
    春の陽気の誘われ、笑顔の絶えない平和なパスクエッタでした。




    総選挙、そしてコンクラーベ

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      イタリアはこのところ、選挙続きです。

      2月末の総選挙では、元首相ベルルスコーニ率いる中道右派が
      ぐんぐん勢いを増し、幸運にも大勝はしなかったものの上下院
      でねじれが生じ、この先の政局が危ぶまれる事態となっています。

      昨年ローマに行った折、ある友人が「モンティが首相になってから
      一つもいいことが無い」、と嘆いていましたが、大方の一般庶民の
      本音を代弁しているように思えました。

      そうは言っても、1年ちょっと前のベルルスコーニ辞任のときは、
      「ベルルスコーニは(家に)帰れ!」といきまいていた国民が、
      いくらモンティ政権の財政緊縮策が 厳しいからと言って、こんなに
      すぐに方向転換するなんて、日本では考えられない現象です。

      「政治関連でベルルスコーニの名前が出るならともかく、変なスキャンダルで
      話題になり、世界中の笑いものになるような人が首相をやってるなんて許せない」、
      とは友人アンジェラの言葉。
      これもまた、良識あるイタリア人の本音に違いありません。

      イタリア政局の今後は、ヨーロッパだけでなく世界経済にも大きな
      影響を与えます。
      かつてのローマ帝国時代や、ルネッサンス期のように世界をリードする
      輝きを一日も早く取り戻してもらいたいものです。



      そして、明日12日からは第266代ローマ法王選出の選挙、コンクラーベが
      始まります。




      サン・ピエトロ大聖堂。
      コンクラーベで選ばれた新法王は、正面2階の「祝福のバルコニー」に立ち、
      世界中に向けてメッセージを流す。



      昨日の新聞によると、選挙会場となるシスティーナ礼拝堂には選挙道具
      の一つ、名物ストーブが設置されたそうです。
      ストーブと言っても、寒さ対策ではありません。
      これで、選挙の投票に使った紙を燃やすのですが、前回のコンクラーベで
      すっかりおなじみになった、「煙突の煙」はこうして生まれます。
      決まったら白煙、決まらない時は黒煙。
      黒煙にするために薬品を一緒に入れて燃やすんだそうです。

      本命がいないと言われる今回の法王選挙。
      カトリックを取り巻く情勢もかつて無いほど厳しく、こんな中で新法王の座に
      つかれる方は想像を絶する重圧に対峙していかなければならないでしょう。
      高齢の方が選ばれたら、身体的にも相当のご苦労があるはずです。

      先日観たイタリア映画「ローマ法王の休日」−題名とは裏腹に思い映画でしたー
      のストーリーが思い出され、信者でもないのになんだかとても心配になりました。

      3月31日の復活際が晴れ渡った空の下で、新法王の下無事執り行われる
      ことを祈るばかりです。

      政治と宗教。
      どちらの道も、春に向かって希望のあるスタートが切れるよう
      ローマの明るい青空を思い出しながら
      遠く離れた秋田の地からエールを送り続けたいと思います。


      バチカンとローマ法王

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        2月11日に突然、ベネディクト16世が高齢を理由に退位を表明しました。

        ちなみに2月11日は、日本と同じくバチカン市国にとっても建国記念日ともいえる日で、
        イタリア王国成立後、バチカンの壁の中でイタリアと冷戦状態を続けてきた教皇庁が
        ラテラーノ協定により、イタリアとは別の世界最小の独立国家を 
        成立させたのが、1929年の2月11日でした。

        一般的に法王は終身職で、
        前のヨハネ・パオロ2世も長くパーキンソン病を患いながら
        26年5ヶ月在位し、84歳で世界中の人に惜しまれながら
        2005年4月世を去りました。


        このとき私はローマに住んでいたましたが、
        法王危篤のニュースが流れると
        人々がサン・ピエトロ大聖堂前の広場に集りだし、
        何日も野宿しながら法王の寝室がある宮殿の窓を見上げて
        法王のために祈りを捧げていたことを覚えています。

        葬儀当日は、参列関係者が約500万人がローマにいたそうです。
        たとえばブッシュ元大統領夫妻、フランスのシラク元大統領、イギリスのチャールズ皇太子、
        また宗教を越えて、イスラム教、ユダヤ教の国々の国家元首クラスも大勢駆けつけました。

        世界中の要人を迎え、この日は、市内ほぼ全域に朝から厳戒態勢が敷かれ、
        公共交通機関も一時全面ストップ。
        商店の多くは自主休業措置を取り、
        学校も休みとなりました。

        私はこの日、ローマ市内観光の仕事が入っていましたが、
        主要箇所には警官が立ち、道路も通行止めだらけで
        大変な思いをしたように記憶しています。

        観光した方にとっては、ある意味特殊な体験になって、得したような損したような
        複雑な思いだったことでしょう。

        さて、これからベネディクト16世の後任選びが始まります。

        先の選挙ですっかり有名になった「コンクラーベ」とは、法王選挙のことです。

        語源は「鍵をかけて」というラテン語で、昔は新法王が決まるまで
        選挙者の枢機卿たちを閉じ込めたことから
        こう呼ばれるようになりました。

        あのミケランジェロの傑作「最後の審判」が描かれた空間、システィーナ礼拝堂が
        コンクラーベの会場です。

        サン・ピエトロ大聖堂を正面にみて、そのならび右側に
        茶色い三角屋根の建物があります。
        これがシスティーナ礼拝堂で、その屋根からのぞく煙突から上る煙の色「白」か「黒」
        で選挙の結果を知らせるシステムになっているのです。

        前回2005年は、煙突に向かって世界各国の報道陣のカメラが向けられ、
        今か今かと選挙の結果を待ちわびていました。
        ローマの空気が汚れていることも関係するのかどうかわかりませんが、
        あの時、TVのニュースでみた煙は実際「白黒」判別つけがたい「グレー」でした。
        その後いっせいに鳴り響いた鐘の音で、決定を知った人が大半だったようです。

        間もなく、サン・ピエトロ広場前はあわただしくなり、
        コンクラーベ一色になるのでしょう。

        今回は、そんな喧騒とは無縁の
        冬の青空を背景にしたサン・ピエトロ広場の写真をお見せします。




        1月31日に撤去された、クリスマス名物のプレセピオ
        (イエスキリストの降誕を表す人形)が飾られている建物と高さ30メートルのクリスマスツリー

        ツリーの右にわずかにシスティーナ礼拝堂の三角屋根がみえていますね。



        次回は、季節遅れになりますが、このプレセピオについて
        書いてみたいと思います。


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